就職活動には、かならず履歴書が必要だ。
だが、履歴書っていうのは、そう簡単に書けるものじゃない。
学生が持ってくる履歴書を見るとたいがい、赤を入れて返したくなる。モノによっては、まよわず返す。
だが、この履歴書を書くにはコツがある。
モチロン、履歴書を書く前の自己分析などはしてあるものとする。
1.人事採用担当者の事を意識して書く
2.記入する順番は下から上へ
3.間違ったら書き直す
4.文字は丁寧に
5.ペンを選ぶ
そして、出来上がった履歴書は、必ず複数人に添削してもらう。
それでは、順番に見て行こう。
1.人事採用担当者の事を意識して書く
まず、書いて提出するものはすべて、読む人の事を考えて書かなくてはいけない。
履歴書の場合、まず読むのは人事採用担当者だ。
履歴書で、担当者は何を知りたいのかを考える。
あなたの卒業研究や興味のある科目を知ってどうなるんだろう?
あなたの趣味を知ってどうなるんだろう?
そう、別に担当者は趣味や科目に興味があるわけではないのだ。
卒業研究や興味のある科目から、あなたの仕事に対する考え方や取り組み方をみたいわけだ。
あなたの趣味から、あなたの性格や考え方、はたまた生き方などをみたいわけだ。
記入するべき欄には、すべてそういう意味がある。
だから、全て埋めなくては評価の対象にならないわけだ。
さらに、一般的な事は誰でも書いてくる。履歴書のノウハウ本をみれば書いてあるのだ。
だから、あなた自身の経験を元にした具体例が無ければいけない。
よくあるのが、自分の性格と具体例が一致していない場合。
第三者にみてもらうまでもなく、客観的に読んでみるとすぐに気づくはずだ。
必ず、読み直すべし。
2.記入する順番は下から上へ
記入する順番と言われてピンときた人はどれだけいるだろうか?
えっ、順番ってあるの?
そう、あるんだな。
履歴書をみてほしい。
大きく3つに別れているのがわかるだろうか。
まず、上から氏名や住所、連絡先など。
次に、学歴、職歴。
そして、卒業研究の内容や趣味、資格、私の特徴などを記入する自己紹介部分。
この3つの書く順番にコツがある。
まず、あなたは自分の名前を書き間違えるだろうか?
ほとんどの人は間違わないはずだ。
ほとんど間違わない名前を最初に書くのはもったいない。
人間の集中力は時間が経てばドンドン低下する。
ましてや自分の人生が決まる就職の履歴書作成ともなれば、それはそれは疲れる。
それなのに、一番集中力がある時に一番間違いにくい所を記入すれば、集中力が低下した時に、間違いやすい「私の特徴」を書くことになる。これは間違っても仕方が無い。
次の3項にあるが、間違ったら書き直すとなると、さらに集中力が低下するわけだ。
何枚履歴書を書き直すことになることやら。
そこで、履歴書は逆に書いて行くのがコツなのだ。
最初に、自己紹介部分を書く。最も集中力があるうちに書いてしまう。
次は、学歴部分。
最後に名前や住所部分になる。
ただし、名前の部分は書き慣れているだけに、いつもの調子に書いてしまうと×。
最後まで気を抜く事の無いように。
参考:徒然草 第109段 高名の木のぼりといひし
3.間違ったら書き直す
履歴書はペンで書く。書き間違う事もあるだろう。
もし、書き間違ったらどうするか。
もちろん、書き直すべきだ。
修正液という便利な物もあるが、これは使ってはいけない。
よく考えてほしい。
修正液のついた履歴書は汚いだけではなく、間違った事を主張しているにすぎない。
修正はしたが、間違いを隠しただけなのだ。
これでは、事務能力が疑われてしまう。
間違ったら書き直すくらいの気持ちをもって、間違わないように履歴書作成にのぞんでほしい。
もし書き間違ったとしても、2項の下から上に書いていれば,ショックも少なくて済むはずだ。
4.文字は丁寧に
よく、文字が丁寧でない人がいる。
それを指摘すると、必ずこういう。
「もう、これ以上は無理です。」
果たして、本当に無理だろうか?
文字というのは、上手、下手がある。
何を隠そうサスペンダーも下手だ。
(書いて30分も経てば自分でも解読不可能なほど下手なのだ。決して自慢しているわけではないが)
だから、下手な人の気持ちはよくわかる。
しかし、今回問題になっているのは、「上手」、「下手」ではないのだ。
「丁寧」か、「丁寧でない」かなのだ。
例えば、口という部分はよく使われる。
部の左下にもある。
さて、この口だが大きくしてみる→口
四隅がきちんと閉じているのがわかる。
この四隅の一カ所でも閉じていなければ、これは丁寧ではないのだ。
丁寧とは、はらう所ははらう、はねる所ははねる、止める所は止める、閉じる所は閉じるといった、誰にでも出来ることをすることなのだ。
「もう無理」という学生は、これが出来ないのだろうか。
そんなことはないはずだ。
諦めず、基本からしかり文字を書いてみよう。
2項で最後の名前に気をつけろとは、ここのこと!
5.ペンを選ぶ
最後に、ペンについて知っておいてもらいたい。
ペンというと、ほとんど油性ボールペンを思いうかべてしまう。
間違いではない。
しかし、ペンのインクには種類がある。
油性、水性、ゲルの三種類。
この中で、油性は書き出しがかすんだり、途中でかすんだりしてしまうなど、滑らかさに欠ける。
また、発色もイマイチだ。
そういった理由から履歴書には向いていない。
履歴書を書くなら水性かゲルなのだ。
しかし、水性は残念ながらにじんでしまう可能性がある。(油性はにじまない)
履歴書でにじむのは非常に問題だ。(油性よりも問題大)
そこで、残ったのはゲルインクだ。
ゲルインクは、油性と水性の良いとこをあわせ持つインクで、書き味もよく履歴書が奇麗に見える。
(文字が奇麗になるわけではない)
どこに売っているかというと、文房具屋に行けば売っている。
値段も100円前後で売っている。
履歴書を書くには、是非このゲルインクのボールペンを使ってほしい。
ただ、インクの減りが早いという欠点もあるので、この5つのコツを利用して、早く内定をゲットする事が望ましい。