ども,サスペンダーです。
前回,積読があまりに多くてビックリ,これから読んでいくぞーって思ったわけですが,実はあれが11月のはじめあたり。
余り長くなく読みやすいものと考えて選んだのが,小前亮著「唐玄宗紀」です。
小前亮氏の小説はこれまで何冊か読んできましたが,テンポがいいのでどんどん読み進められます。そして,これは1巻完結なので読みやすい。
話は,唐の皇帝「玄宗」とその宦官「高力士」の話。
もちろん,話の中には楊貴妃や安禄山などお馴染みの人が登場します。
玄宗の前には,則天武后から始まる女性の時代があります。
まずは,玄宗の祖母で高宗の皇后で,中国唯一の女性皇帝である,則天武后です。でも,この物語にはほとんど出てきません。そして,さらに高宗の子の中宗の皇后の韋后,則天武后の娘の太平公主と権力は女性に引き継がれていきます。
その中にあって,韋后を倒し,太平公主を倒した玄宗についに権力がまわってきます。
しかし,玄宗は自らが朝政に参加することはあまりなく,宰相に任せる方針をとります。
そして開元の治で唐は大繁栄するのでした。
その裏に,高力士という宦官の存在があります。いつも玄宗のそばにいて玄宗を支え続けます。
玄宗の晩年に,楊貴妃を紹介したのも,また高力士でした。この楊貴妃に魅了され玄宗の時代は終わりに近づきます。ただし,政治は宰相が行っているので大丈夫のハズでした。
しかし,安禄山が反乱をおこします。「安史の乱」です。
長安までも反乱軍に攻め入られて,玄宗は蜀の地に逃れます。
安史の乱平定後に長安に戻りますが,そのころには皇帝は息子に譲り,上太皇となりひっそりと暮らしたそうです。
この物語は,時間の流れが2本あります。
1本は,玄宗と高力士が過去を回想する時間軸です。
そして,もう1本は,その過去の出来事の時間軸です。
最初は,ちょっと戸惑いましたが慣れれば大丈夫でした。
読む前に歴史を知っておくとより楽しめるのではないかと思います。
読む前に,ぜひ隋唐演義など読まれてはいかがでしょう。
おススメは★★★★
それでは。