蒼き狼の血脈

みなさん,こんにちは。

緊急事態宣言がでて,初めての土日です。
ニュースでは,どこも閑散とした映像が流れています。
奈良の映像で,人より鹿の方が多くて印象的でした。
鹿にしてみたら,「人類,滅んだんじゃない?」とか勘違いしそうだな~とか思いました。

さて,連休に入る直前,金曜の夜に1冊読み終わりました。
小前亮著 蒼き狼の血脈(文春文庫)です。

蒼き狼といえば,チンギス・カンですね。
その血脈なので,その子孫となるわけですが,今回の主人公は「バトゥ」です。
バトゥは,チンギスの長男である,ジュチの子供,つまりチンギスの孫です。
日本的に考えれば,チンギス亡き後,後継者は長男であるジュチなんですが,
モンゴルでは,末っ子が後を継ぎます。チンギスの場合は,トゥルイです。
(でも,三男のオゴディが次のカーンになりました。)
では,長男や次男はというと,すでに独立しており自分たちの領土をもってそこを統治しています。
ジュチはモンゴル国の西に領土を持っており,チンギスからはそこから西は征服すればすべてジュチの領土になると約束されていました。
そのジュチ国を受け継いだのが,バトゥでした。
バトゥは西征し,ハンガリーやポーランドも征服しました。つまり,ヨーロッパまで領土を広げたことになります。
残念ながら,そのあたりで当時の大カーンであるオゴディがなくなって西征は終わりましたが,正直どこまでもいけそうな気がしました。
チンギスからはじまる物語には,一族の長老とか,大御所的な立場でバトゥはよく出てきます。
というのも,オゴディの次のカンは,オゴディの子供のグユクで,次がトゥルイの子モンケで,次がモンケの弟フビライです。バトゥはこのグユク,モンケ,フビライとは従妹で,軍事的にはもかなり強かったようです。
この本を読んで,どういう人なのかを知ることができました。
できれば,覇帝 フビライの前に読んでおいたほうが良いように思います。

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