斗宿星―田釐子・成子伝

ども,またまたご無沙汰のサスペンダーです。

最近,ブログのネタが読書ネタばかりになっていることを知りました。
とはいえ,今回も読書ネタです。

今回ご紹介するのは, 
塚本靑史著
斗宿星―田釐子・成子伝
です。

斗宿星

時代は春秋時代。
斉の国の田氏の話です。
斉の田氏といえば,王族と思いますが,それは後々のことで,
この時代はまだ大夫です。
斉の宰相は晏嬰で,儒教の教祖 孔丘(孔子)が諸国を放浪している時代です。
主人公は,田乞,田常親子で,いかにして,田氏が斉の王になるための礎を築いたかというお話です。

話の内容は非常に面白いのですが,時代が目まぐるしく動くので,話が斉,魯,衛,呉などドンドン変わっていき,それぞれの情勢を把握しなくてはわからなくなってくるので,これは難しかった。

ただ,この本を読むと,これまでのバラバラのエピソードだった話が一つにまとまる感じがしました。
特に,伍子胥晩年の話で,息子を斉にあずける(これが伍子胥の命取りになるのですが)というあたりが,出てきたときには,夢の競演を見た感じでした。

少し難しいですが,前提知識があればオススメです。
★★★

それでは。

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李巌と李自成

ども,ハイキングの後,筋肉痛が来ないサスペンダーです。

10月21日に例のハイキング(比叡山)に行ってきましたが,その後筋肉痛がきません。これって,”まだ”なのか?

さて,アトランティスミステリーの後,講談社文庫の「李巌と李自成」を読み始め,先週読み終わりました。

李巌と李自成

著者は「李世民」や「趙匡胤」の著者と同じ,小前亮です。
今回は,題名に2名の名前が出ているので,この二人の絡みなど主人公はWで展開していくのだろうと思われました。
しかし!実際のところ主人公は,李巌です。
李自成ももちろん出てくるのですが,主人公は李巌です。
この内容ならば,題名は,李巌でいいのではないかと思います。
時代は,古代でななく,明→清になる途中です。
明を倒したのは,清ではなく,この李自成率いる農民反乱軍の順なんですね。初めて知りました。
この物語は,単に李巌の活躍を描いたものではなく,明の最後の皇帝,李巌・李自成,清のドルゴンなどを描いたもので,当時の時代背景を知るには素晴らしい本だと思います。

おススメ度は★★★★

それでは。

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アトランティス・ミステリー

アトランティス・ミステリー (PHP新書)

ども,昔,ムーの白鯨というアニメを見たのを覚えている,サスペンダーです。

といっても,再放送です。

さて,このムーはもちろんムー大陸のことです。
そして,ムーの敵役としてえがかれるのが,アトランティスです。

ということで,今回は「アトランティス・ミステリー」という本をご紹介します。
といっても,実は以前にcastor先生が紹介されており,それを借りて読んだものです。

アトランティス・ミステリ-

まず,読みやすい文体です。
この本の著者はKCGの一般教育科目では大人気の「歴史学」のS先生なんです。S先生の授業を何度か聞いたことがあるのですが,すごくわかりやすい授業なんです。そのわかりやすさがこの本には凝縮されています。たんなる研究者ではなく,実際に教えていらっしゃる現場の先生だからこその文体だと思います。
そして,内容は・・・これは読んでからのお楽しみですね。

KCGでは授業の向上をめざして,毎学期末に学生による授業評価と先生による授業評価を実施しているのですが,僕はいつも歴史学を見学させていただいています。
そして,いつも感動して帰ってきます。
それは,その時の話題の現象を授業に取り入れられている点です。
例えば,ジャンヌダルクという映画が上映されれば,ジャンヌダルクの話をされるのです。
しかも,それはなぜジャンヌダルクが有名になったか,そして魔女裁判とはにか,なぜそのようなことが行われたのかという歴史の背景(これは,普通ではわからないことなんですが)を教えていただけます。この背景を知ることで,歴史の事実に深みを感じられるのです。

もちろん,アトランティス・ミステリーでも同様です。

これは,おススメです。★★★★★

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戦国名臣列伝

ども,ずいぶん過ごしやすい気温になって,うれしいサスペンダーです。

涼しいより,寒いくらいですね。
体調管理に気を付けましょう。

さて,戦国名臣列伝という本を読み終わりました。
著者は,中国古代小説と言えば,宮城谷昌光さんです。

戦国名臣列伝

内容は,序で「戦国時代はいつからか始まるのか」で始まります。

そして,以下の16人について書かれています。 
越の范蠡
魏の呉起(呉子)
斉の孫臏
秦の商鞅
燕の蘇秦
秦の魏冄
燕の楽毅
斉の田単
楚の屈原
趙の藺相如
趙の廉頗
趙の趙奢
秦の白起
秦の范雎
秦の呂不韋
秦の王翦

僕的には,斉の田単あたりがうれしかったです。
名前はよく聞きますが,いまいちわからなかった人物だったので,今回の本を読んでよくわかりました。
また,秦の魏冄もうれしかったです。
というのも,名前はよく聞くのですが,なんだか主役になれそうもない人のように思えて,脇役(悪役)で終わってしまいそうだったからです。
あと,趙の三大天(藺相如,廉頗,趙奢)そろい踏みもうれしかったです。
さらに,この16人以外の人も結構クローズアップされていました。
例えば,張儀や荊軻などもよく書かれています。
春秋名臣列伝より,軽く読めました。
僕は,どちらかと言えば,戦国時代の方が強いのかもしれません。

1人の人物の生涯もいいですが,多くの人のことを知りたい人にはおすすめです。でも,少し予備知識がないとつらいかも。
★★★★

それでは。

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孫子【孫臏編】~海音寺潮五郎の孫子(下)~

ども、ご無沙汰しております、サスペンダーです。

いや〜、涼しくなってきましたね。
特に、今日は寒いくらいです。
秋ですね〜。

さて、ブログの方はずいぶんご無沙汰だったんですが、読書はマイペースながら進んでいます。
孫子上巻の次に、孫子下巻を読み始め、9月中旬には読み終えました。
現在は、孫子の前に読んでいた「春秋名臣列伝」と対をなす、「戦国名臣列伝」です。

孫子下巻

孫子下巻の主人公は孫臏(ソンピン)です。
彼は、上巻の主人公、孫武の子孫です。

彼は友人の龐涓(ホウケン)の裏切りにあって、膝から下の足を切られるという刑を受けてしまいます。孫臏の臏は刑の名前で、彼の本名ではありません。
しかし、彼はその後、龐涓とは違う国で軍師となり、見事に龐涓に復習するというのが、あらすじです。

本の中で、孫臏は次のような事を言っています。
兵法は心理戦だから,人を知ることが大事。(龐涓のように)戦術ばかり勉強していたのではダメ。人のことを知るためには,そのほかの知識,例えば詩などを勉強し人を知るところから始める必要がある。
孫武の上巻で、兵法とは相手の心理を読み切る事が大事である事が書いてありました。
下巻では、では実際どうすればいいのか?という所から話が始まります。
兵法は知識だけではダメで、人を知る事が大事である事が書かれています。

実はこれ、社会においては当たり前の事なんです。
例えば、IT。
どんなにITが進化しても、情報を扱うのは人。
だから、人を知った上で、ITを駆使しないとダメなんですね。
そのためには,情報の勉強だけではなく,一般教養や文化教養(音楽会など)なども勉強しないとダメなんですね。
真の情報処理技術者になるためには,「知性・感性ともにすぐれた人格の育成」が必要なわけです。
これって、KCG教育の理念の一つです。

2人の孫子(孫武と孫臏)の兵法は、現代社会でも十分役立つものなんですね。

孫子 お勧めです。★★★★★

それでは。

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孫子【孫武編】~海音寺潮五郎の孫子(上)~

ども,暑い日が続きますが如何お過ごしですか,サスペンダーです。

熱中症などに気を付けてください。
家でも,熱中症になります。湿度が高いと29度くらいでもなるそうです。
みなさん,気を付けましょう。

さてさて,海音寺潮五郎の孫子ですが,昨日やっと上巻を読み終わりました。
6月25日のブログで書いているので,一ヶ月くらいかかりましたが,11月祭には間に合いました。

孫子上

この孫子(孫武)ですが,僕の中ではかなりしっかりした人物のイメージがありました。
彼のエピソードのひとつに,王の寵姫2人の首を切る話があります。
これだけでも,かなり胆の据わった人物であるのがわかります。軍律を重んじ軍を統率していくのですからしっかりした人物でなければいけないわけです。
しかし,この本の孫武は,弱気で王の前だと発言できない,人の頼みごとは断れないなど,どこにでもいそうな,気のいいだけの人物なのです。
ただ,軍事に興味があっていろいろ調べて知識豊富な,いわゆる「軍事マニア」なんです。
でも,そういう人間だからこそ,できるだけ戦争をしないでいいように考えたのかもしれません。
たとえば,「戦争は国の大事なり」です。
国にとっては重要なことだから,むやみに戦争するのではなく,よく考えなさいってことです。
ほかにも,戦争をして勝つのではなく,すでに戦争前にさまざまな分析をした結果勝つことが分かった上で,それを戦争で実践するのだともいっています。また,百戦百勝が最善の策ではなく,戦わずして勝つのが最善であるといっています。
軍事の本質は心理戦であることが,本書を読めばよく分かります。
相手の立場に立って,どのような心理で行動をとるかを読みきった上で,さまざまな情報を分析し勝つための戦術を立てることこそが大事なわけです。

相手の立場になって考えることは,古代から一緒なんですね。

孫子というと,兵法が有名ですね。
でも,兵法で有名な孫子は2人いるんです。
一人は,上巻の主人公「孫武」,もう一人は「孫臏」です。
この孫臏が下巻の主人公です。

さて,これから下巻に入ります。
孫武とはちがう,もう一人の孫子=孫臏は何を教えてくれるのでしょうか,楽しみです。

それでは。

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水木しげる大研究

Pen ( ペン ) 2010年 5/1号 [雑誌]

ども,妖怪大好きなサスペンダーです。

いま,もっとも注目を浴びているいるのは誰でしょう?

それは,坂本龍馬ですね。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」観てますか?

でも,今回は龍馬ではなく,水木しげるに注目したいと思います。
朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」観てますか?
水木しげるの奥様の自伝が原作のドラマです。

水木しげるといえば,「ゲゲゲの鬼太郎」ですね。
そして,水木しげるロード,楽しいですよ。

今,PENという雑誌で「水木しげる大研究」を特集しています。

pen

もちろん,購入しました。
これは,保存版ですね。大事にしないと。
(太陽の手が届かないところに保管)

今年の11月祭は中国古代史座談会だけじゃなくって,ゲゲゲ座談会もいいかも。
それでは。

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三国演義 ~本場の三国志~(オブ脳さんの中国土産)

ども,中国好きだけど,中国語は読めないサスペンダーです。

しかも,漢字は簡体字なので,漢字から推測するのも難しいですね。

さて,オブ脳さんが中国出張から戻られてお土産をいただきました。

三国演義

オブ脳さん,ありがとうございます。

三国演義です。
簡体字なので,義が読めません。

もちろん,中身も読めません。
しかし,知っている武将などは字面でだいたいわかるので,それを元に読んでみたりするのも面白いかもしれません。

中国語が読めたらいいな~。

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放課後の時間割

ども、連休に入って太ちゃんと戯れる日々が続いているサスペンダーです。

太ちゃんは時々しゃっくりをします。
そんな、太ちゃんを見ていて思いだした話があります。

クラスの女の子がしゃっくりをしていて、
その女の子を笑った隣の男の子にうつって、
それを注意した先生にうつって、
クラス中にうつって、
のぞきに来た隣の教室の先生にうつって、
学年中にうつって、
それを注意しに来た校長先生にうつって、
学校中に放送した教頭先生にうつって、
放送を聞いた学校中の人にうつって、
たまたま来ていたPTAの人にうつって、
その人が町中の人にうつして、
それがテレビニュースになって放送されたから日本中にうつって、
国際電話していた人から世界中にうつって、
どうしても止められない。
でも、たまたま世界中の人のしゃっくりのタイミングがあって、地球が揺れてみんながびっくりして止まった。

っていう話です。

この話は、僕が小学校のころ読んだ、「放課後の時間割」という本に収録されています。

放課後の時間割

他にも短編がたくさん載っている本で、これまでにも何度も読み直しました。
懐かしくって、図書館で借りてまた読みなおしました。
やっぱり面白い本でした。

太ちゃんが小学校になったらまた一緒に読もうと思います。

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やっとまわってきた~アンティキテラ~

ども、図書館に本を取りに行くのに図書館カードを忘れてしまったサスペンダーです。

以前にご紹介したことがある、「アンティキテラ 古代ギリシャのコンピュータ」という本を図書館で予約していました。このほど順番がやっとまわってきました。
今、「春秋名臣列伝」という本を読んでいるのですが、いったん中断して「「アンティキテラ 古代ギリシャのコンピュータ」を先に読もうと思います。

アンティキテラ

「春秋名臣列伝」が人物別の短編でよかった~。

図書館で借りたので、期限は2週間です。
頑張って読も~っと。

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