若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

　日本は儒教の影響があって年齢差別がまかり通ります。このことは，年配者がむちゃくちゃすれば，若者を搾取することが可能だということです。現在，若者がニートになってもフリーターになっても大きな社会問題にならないのは，親の世代がお金をある程度蓄えているためだと思います。若者間で格差社会が出現しても，彼らの親の世代は比較的平等であるために問題が起きないのでしょう。
　フランス革命が起きたときは，貧しい親の子は貧しく，金持ちの親の子は金持ちなんです。つまり貧富が遺伝するから，革命が起きるんです。日本では現在では貧富は遺伝していないから革命も賃上げ闘争もおきないんでしょう。
　さてこの本は私が１０年前から思っていたことが書かれています。年功序列システムの恐ろしさです。東大法学部出身で司法試験で失敗した人は新卒でない（年功序列システムになじまない）ため，企業への就職が無理であることが述べられています。うむうむ，京大で博士号を取得しても大学で教員になれない人は，企業に入れないのとまったく同じですね。
　その点，IT業界は実力だけです。いい社会です。年齢差別なし，性別差別なし，学歴差別なし，国籍差別なし。KCGのみなさんの将来はばら色ではなくても，真っ暗になりませんよ。