弁という漢字は複雑

  現在の日本語常用漢字の「弁(ベン)」という漢字は本来は,とても複雑です。ここを明確にすれば,日本語漢字と繁体字との相互変換は可能になりそうです。
 弁という字は,左右を辛(シン)でそれぞれ言,り,瓜ではさんだ辯,辨,瓣という3つの字と,刀をはさんだ辧という異体字が存在します。

(1)辯…しゃべる。 (例)弁舌/辯舌=辩舌biàn shé
 関西弁,雄弁,弁論などの弁も本来はこの文字。

(2)辨…わかる。(例) 弁別=辨别biàn bié
 弁償,弁護士などの弁も本来はこの文字。

(3)瓣…花びら (例)花弁=花瓣huā bàn

(4)辧…処理する 
 この文字をつかった言葉は日本語にはないようですが,中国ではよく使います。簡体字の办を使います。
 
(例)辧公室 biàn gōng shì
  办公室 bàn gōng shì  「事務室」の意味です。

【参考】
簡体字繁体字日本語漢字
常用漢字表

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