本学では,ERPパッケージとして,SAP社の製品をつかって教育しています。
【参考】
コンピュータ技術+ビジネス TERP10 | ビジネス学系 | 学科 | 京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学 | ウェブ型企業資源計画(ERP)
京都情報大学院大学 | 財務会計システム開発Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
SAPが大企業向けなら,中小企業向けのMS社のDynamicsという製品もあり,本学で簡単なセミナーが行われました。
【参照】
Microsoft Dynamics ホーム
まずは,Microsoft Dynamics CRMの講演です。これは,学校向けソリューションの話でしたので,少し質問しました。クラウドについての質問です。以下の3段階で考えるそうです。
・オンプレミス(通常のSQLサーバを中心としたシステム)
・プライベートクラウド(Hyper-Vを用いた仮想化。オンプレミスから単純に移行)
・パブリッククラウド(Windows Azureを使用。)
なるほど,すこし理解できました。
次に,Microsoft Dynamics ERP AXの講演です。
AX,NAV, GP, SLがあるんですが,そのひとつのAXです。
はじめにシステム概要図が提示されました。財務会計,管理会計,連結会計…
しかし,「在庫管理」がありません。それは,在庫管理と原価管理プロジェクトがバックにあるのです。
原価管理プロジェクトはMS社のProjectの廉価版みたいなもので,コストと工程のみ管理します。
このDyamicsは組織階層(経営層top management,中間管理層middle management,現場管理lower management)によって異なる必要な情報を必要な方に届けるというコンセプトです。たとえば某スポーツ飲料を分析用キューブで解析すると,スポーツのあとよりは「平日の夜に繁華街で売れている」ことがわかったんですね。そう,お酒のんだあとに売れているのです。その分析結果をもとに,売上が増えたそうです。
ところで,DyanamicsとSAPはどこがちがうんでしょうか?
以下の図を見ていください。
柔軟性
Dynamics |
|
業務適用性-------+------業務標準化
|
| SAP
|
硬直化
Dynamicsはカスタマイズしやすいそうです。だからSAPが「かたいERP」なら,Dyanamicsは「ちょっと柔らかいERP」だそうですね。なるほど流石はmicro softですね。
本社がSAPで支社がDyanamicsとう連結もできるそうです。ドイツの薬品会社やMS社の本社の事例がありました。
グローバル経営サポートも売りです。同じシステムで,ログインする人によって,言語設定を変えることができます。日本語OS上でアラビア語とタイ語の画面変更のデモがありました。
やはりMS社の製品ですのでExcelと同じような操作性を備えています。以上まとめると
・Officeと同じUI
・多言語
・カスタマイズしやすい
ということになります。
ウェブアプリ型ERPとクライアント-サーバ型ERPのちがいについて質問しました。物流業者では出荷できないとおわるので,ネットワーク接続が不安定なウェブアプリ型は採用できず,物流業者などではクラサバがいいとのこと。日本では伝票印刷が多いこともクラサバがはやる理由のようです。
今のERP導入プロジェクトの問題なんですが,Dyamicsは部手解消するようです。
・実稼働率の低さ
・Outlook, Word, Excelなど
・使い慣れたアプリとそっくりなので,ERPが特別ではない。
・差し込み印刷ができる。
さてお値段ですが,3種類に分類できます
・導入費
・ライセンス費
・維持費
どれもSAPよりも安いそうです。
カスタマイズはどうでしょうか?
帳票はユーザー企業が行うそうです。業務フローに関わる部分はSI企業が行うようです。
スマホへの対応ですが,SAPではすでにiPhoneやiPadからアクセスできます。iPhoneでDynamicsがアクセスできるそうですが,MS社の公認ではありません。米本社ではWindows Phoneからのソフトを開発中のようです。
図 MS社のERPパッケージであるDynamicsの解説