「須磨」は畿内の「すみっこ」

 JR神戸線で神戸を過ぎると正式名称は山陽本線になる。浜側の窓に座って車窓を楽しむと,鷹取を過ぎあたりから瀬戸内海が見てきます。山陽本線は神戸から下関まで続き,海側を走っているイメージが強いのですが,海がよく見えるのは,須磨あたりと岩国のあたりだけなんですね。
 さて,須磨から明石まではもっとも美しい景色を楽しむことができます。同じ光景は山陽電車に乗っても味わえます。
 須磨付近は,JR,山陽電車,国道2号線が狭い海岸線を完全に並行していますが,ここに浜ができたのは,ここ千年以内です。少なくとも,平安時代にはここは海の底です。
 現在,須磨から垂水へは海岸線をとおって容易に移動することができますが,平安時代にはここには海岸線はなく,播州垂水へ移動するには,山越えをしていたのです。現在の第二神明のあたりを超えていたようです。
 ここにある鉢伏山は摂津(須磨)播磨(垂水)を分ける山で,須磨浦公園へ登るロープウェイがその境界線に近いそうです。そこには境川が流れています。

兵庫県神戸市須磨区西須磨周辺の地図 – Yahoo!ロコ

 こうやって考えると,須磨は摂津のはずれにあることがわかります。摂津のすみっこです。平安京から山越えをせずにやってくることができる畿内のすみっこ,それが須磨なんです。だから貴族の別荘地があったんです。
 さて,すみっこという言葉は昔は「すまっこ」とも言ったんです。でも関西には「すまっこ」なんて表現はありません。
 ネットで調べてみましょう。甲州,常陸(茨城),仙台には「すまっこ」という言葉は存在するんですね。やはり,「須磨」は摂津あるいは畿内の「すまっこ(隅)」だったんですね。

【出典】
すまっことは – 北海道方言 Weblio辞書

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