友人のFacebook投稿記事から引用
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英語には,動詞 differ の派生語である形容詞 different があって,同じく形容詞である same に対応しているが,日本語には,形容動詞「同じだ」・形容詞「等しい」に対応するような,「違う」「異なる」を意味する形容詞・形容動詞がない。
「ある」と「ない」の品詞ズレとも似ているが,「違う」ことは,形容詞・形容動詞で表されるようなスタティックな現象ではなく,ダイナミックな現象としてとらえられているのかもしれない。
「『違う』を意味する形容詞」の穴を埋める,一種の幼児語として,「違くて」「違かった」という言い回しが使われることがあるが(終止形は「違い」ということになる),昨夜読んでいたネットノベルで見た,
「同じだろうと違かろうと」
という用例は,なかなか新鮮だった。幼児語の文語的活用
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まずは日本語を古語と現代語で考察してみました。
古語
あり(動)<ー->あらず(動),なし(形)
現代語
ある(動)<ー->ない(形)
現代語の五段活用の「ある」は「あらない」が言えないんですよ。そもそも,助動詞「ない」を未然形につけて否定形を表すのは東日本方言だったのを標準語として認めたことに由来するんです。
古語
同じ(形)<ー->同じからず(形),異なり(形動),たがふ/ちがふ(動)
現代語
同じだ(特殊活用の形動)<ー->同じでない(形動),異なる(動),違う(動)
以上のように,「同じ」というのは現代語では特殊な活用をするんですよ。辞書をみても形容動詞とも形容詞とも解釈できるそうです。
これを英語でいうと,4段階と考えられる
the same as ~ (形)同一
like ~ (前)同様,似ている
unlike ~ (前)ちがっている
diffrent/differ from ~ (形/動)異なっている
特に,アメリカ英語でlikeやunlikeは頻出ですが,日本の学校英語で取り立てて重要表現として教えませんね。よくないです。英語でも品詞はいろいろ。
最後に「同じだろうと違かろうと」はすごいですね。
「違い」が形容詞として間違えると以下のようになります。
未然形 ちがくない,ちがかろう
連用形 ちがくて→ちがって
終止形 ちがい
連体形 ちがい
仮定形 ちがければ
命令形 -
なかなかすごい間違いですが,なんかいいかも。