高等教育の比較的考察―大学制度と中等後教育のシステム化
福建師範大学の図書館で見つけました。
高等教育機関の比較的考察,大学の成立と変革,現代高等教育の展望からなります。
マーチン・トロウの高等教育のユニバーサル化が本書では引き合いに出されています。
本書をざっと読んで思ったんですが,「高等教育とは何か」という講義を大学院の修士課程で義務づけてはどうかと思いました。
高等学校(中等教育)を終えてからの高等教育(higher education)とは何かという一応の一般論を知らずに,マスコミや政治家,経済界の偉いさんなどは大学批判を繰り返します。これは不毛です。
「高等教育とは何か」という一般をきちんと知らずして大学を議論するのもおかしいし,学歴社会の最高峰の大学院を修了することの意義を考えるためのきっかけすら,現状では与えれていないのです。
ちなみに,本学大学院のリーダーシップセオリーではこのあたりも講義しています。
今日はこの辺で。
目次
第I部 高等教育機関の比較的考察
第1章 高等教育の制度的概念
第2章 高等教育体制の段階移行論
第3章 高等教育における多様化と構造変容
第4章 日本における「中等後教育」の制度的構造
第II部 大学の成立と変革
第5章 大学評価論
第6章 新制大学の成立と設置認可
第7章 大学改革の可能性と限界
第8章 高等教育におけるイノベーション
第9章 高等教育における改革・革新の国際比較
第III部 現代高等教育の展望
第10章 生涯教育としての高等教育
第11章 「教師の大学」から「学生の大学」へ
第12章 現代日本の高等教育改革の方向