ウェブのプロマネ

Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す

 PMBOKに基づいたWebプロジェクトマネジメントの本であるのでかなり前に注文したんですが,やっと入手できました。なんといってもウェブサイト構築に特化しているので注目の書籍です。著者は「日本最大のデザイナー、 イラストレーター、 映像クリエイター、その他全てのクリエイターのためのポータル」を掲げているloftworkの方と富士通の方です。

1 PMBOKの説明
 広く浅くではありますが,PMBOKの説明は明快かつ平易です。これまで私が紹介してきた本でも読まないと理解が難しいと思います。p033にはウェブ・プロジェクトにの場合の「PMBOKが構成するプロジェクトマネジメント・プロセズ」があります。これはPMBOKガイドp70に基づいています。具体例としてはとてもいいです。

2  テンプレートがある
 第4章には,WBS,スケジュール管理,課題管理表のテンプレートがありますので,すぐに利用が可能です。プロジェクト調達マネジメントとしてp077には「業務委託契約書」のサンプルがあります。p084には見積書のサンプルもあります。

3 様々なツールの紹介
 コミュニケーション管理のソフトとしてp062Confluence (コンフルエンス) 社の企業向け Wiki ソフトウェアを紹介しています。
お手軽Webデータベース:サイボウズ デヂエを使ったコミュニケーション管理も掲載されています。
 品質管理システムとして,ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 1.0が紹介されています。Googleの検索エンジン最適化 (SEO) – ウェブマスター/サイト所有者 ヘルプ
も紹介されています。アクセシビリティ対応とための「背景色と文字色の見やすさを判定するソフトウェアとして富士通のColorSelectorが紹介されています。
 スケジュール管理ソフトとして,FastTrack Scheduleというソフトが紹介されています。

4 日本の組織文化に合った記述も
 PMBOKははっきり言って,欧米の組織文化で生まれた概念ですので,日本の組織にそのまま下ろしてくるのは難しいです。日本のマネージャ(管理職)はOJTをとおして勝手に育つものとなっていますが,欧米ではマネジメントの勉強をして,スキルを身につけた方(たとえばPMPとか)がマネージャになるので,考え方はかなり異なります。そこで日本の組織でどうすればいいのかが少し書かれているのは,この本の価値を高めているでしょう。

5 座談会「プロジェクト化が進むウェブの現場 企業と制作会社をつなぐヒント」
 ウェブ制作はもともとは一人から数人で行ってきたのですが,今や,企業活動のかなめになっています。おそらく職人気質的な人たちで作っていたウェブを,チーム活動で制作をするようになるには大変なことが多いと思います。巻末の座談会は読者の役に立つでしょう。
 

【詳細目次】
Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す

【参考】
京都情報大学院大学 | プロジェクト管理技法
京都情報大学院大学 | ウェブプログラミング特論

【ブログ内参照】
Project Management Professional

【ウェブビジネスに関心がある人はKCGI】
京都情報大学院大学 | 入学説明会
京都情報大学院大学 | 説明会申し込み
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