さきほど、フィットネスクラブで自転車のりをしながらTVを見ていますと,日本人がノーベル賞をとったとのことですので,早速記事を書くことにしました。日本の将来が暗いことを述べておきます。
【出典】
【ノーベル物理学賞】素粒子物理学の基礎「標準理論」を築く 小林、益川両氏(産経新聞) – Yahoo!ニュース
今回の受賞は35年前の研究成果に対するものです。ここをみなさん,忘れないでくださいね。まだ日本の大学に入学する人が同世代の1割しかいなかった時代です。しかも私学助成金もなかったころですので,国立大学優勢のころです。この時代の大学は,京都大学などでは講座(教授,助教授,助手1,2名の3~4名)に一人ぐらいの秘書がいたので,雑用(実験器具の伝票の整理,備品管理,申請書の手伝い)を最小限にして研究に打ち込めたようです。また,小林先生,益川先生はこの時期に助手でしたが,会議に引っ張り出されて研究が中断することもなかったようです。
さて,現在の大学は,研究主体であるべき旧帝国大学でさえ,学校運営に多大な時間を割くような構造になっています。
1 講座には秘書はいませんので,事務処理能力の低い方は研究する時間をひねり出すことができません。事務処理能力の高さは研究者としての能力の一つに数える必要があるのです。
2 学生の学力低下で教育改善を毎年行わないと学校運営ができません。このことも大学教員が忙しい理由です。
3 学生募集にも多大な時間をとられています。
4 文部科学省からどんどん大学改善のための通達が来るので,会議の数が増加の一途であり,研究する時間がとれません。
このような状況ですので,現在の日本人若手研究者が30年後にノーベル賞を取れるかどうか微妙だと思います。また,今回ノーベル賞を受賞された方はどなたもゆとり教育世代ではありません。したがって,日本の学校教育が捨てたものでないのでノーベル賞をとれたんだなんて主張もあるようですが,間違っています。どうか,ゆとり教育の影響が30年後を左右することを警告して,ここでこの記事をおわります。
Dr. ObjectBrain with KCGI
【参考】
新しい学習指導要領 その2