日本は生産高に占める教育費の割合が低いというデータがOECDが出されました。
【出典】
GDP比の教育支出は下から5番目 OECD加盟国調査 (asahi.com)
「国内総生産(GDP)比で見た場合、日本の公的支出はギリシャに次いで下から2番目、私的負担を加えると下から5番目だった。」といいます。これはすごい低いですね。記事によると数年後には世界最低になると予測されています。
さらに「OECD教育局は「日本は限られた投資で結果を出しており、非常に効率的」と評価するが、文部科学省は「公共事業などに比べ教育予算の削減幅は小さい。だが、他国が強化している中、相対的に国力の低下を招く危険がある」と危機感を強めている。」とのことです。学習指導要領の内容が問題であり,投資は次ではないかと私なんか思います。食塩水の濃度計算や反比例を小学校で教えなくなったんですから,数年後の日本の技術者のレベル低下は想像以上に下がるでしょう。
最後にもっとも興味があるのは「OECDはこのほか、日本の特徴として(1)初等教育で1学級28.4人は、韓国に次いで2番目に多い(2)教員の給与は比較的高い(3)小学校教員の授業時間が最も少ない一方、労働時間は最も長い」
このことは日本の学校を象徴しており,「小学校教員の授業時間が最も少ない一方、労働時間は最も長い」が最も特徴的です。理由は日本の学校の先生は授業よりも事務作業に追われまくっているのです。これは塾と比べると異様で,塾教育では教員に事務作業をたくさんさせるところは繁栄しません。一方,現在の「学校」と呼ばれるところは事務作業力がないと教えることやFD(教授開発)の時間をひねり出す時間が出てきません。私の大学時代の同級生などはこのような学校現場の本質を見抜いていたので,「教えたい」人は生活不安定でも塾の先生になるのです。これは「予備校が教育を救う 」などもご覧いただきたい。そして学校の先生の仕事が増えるもうひとつの理由は「保護者からのイチャモン」です。これは「悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ 」を参考にしてください。そのうち書評を書きます。教師をもっといたわってほしいですね。
【参考】
丹羽 健夫 ,「予備校が教育を救う 」(文春新書,2004)
小野田 正利,「悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ」(旬報社,2006)