今回は「図形と式」について取り上げます。数学の苦手な人が混乱している要因そのものではないかと考えて執筆した部分です。
第5章 解析幾何とベクトル 第2節 図形と式
第5章 解析幾何とベクトル 第3節 領域と不等式
1 いわゆる媒介変数をするための動機
いつも参考にしている三省堂の教科書「数学I」では,「図形と方程式」という単元を「図形と運動」として取り上げているのです。2次元平面座標の直線上を運動することによって,ある場所からある方向へ歩き始めることによって,直線が決まることを理解させるというのです。現在であれば,GPSの情報で直線に歩くなんて日常的ですね。
2 2次元平面上の直線の式
直線を表すのに以下のように5つに分類しました(p207)。
式(2.1) 陽関数型(いわゆる一次関数)
式(2.2) 陰関数型(x,yの一次方程式)
式(2.3) 切片型…式(2.2)の変形
式(2.4) 媒介変数型→これが発展するとベクトル方程式
式(2.5) 方向比…式(2.4)の変形
ブラックボックスの図解をp218で行いました。
3 円の方程式,放物線の方程式
この節の終わりで,円の方程式,放物線の方程式を扱います。
・陽関数型
・陰関数型
・パラメータ表示
p226では表にまとめています。この表は「単位がとれる微分・積分」では公式集として拡大した形が掲載されています。
p225には座標で絵を描くという例題を解いてもらっています。いわゆるコンピュータグラフィックスの初歩ですね。現代であれば,HTML5のCANVASかSVGで書くような指導ができればと思います。
4 領域と不等式ではゲームアプリの衝突判定
高等学校の数学では「領域と不等式」といえば,「線形計画法」を教えるの定番です。情報処理技術者試験の定番ですのでいいのです。それ以上に大学生や大卒生が興味をもつのが,ゲームアプリにおける衝突判定です。ゲームアプリのようなCGの世界では,物体が接するめり込んでいくのが当たり前です。どうやればめり込まないか? お互いの領域を不等式で判定するんですね。「領域と不等式」は身近な例は実はゲームアプリなんですよ。
5 高校で楽しい授業を期待する「図形と方程式」
はっきり言って,高等学校の授業で最も難しい単元ともいえます。1994年度の学習指導要領以来ずっと数学IIに入っています。関数は,入力xから入力yへの写像と考えるとわかりやすいのですが,この単元は中途半端に関数が出てきて,方程式が意味不明にでてきます。
しかし,理解を助けてくれるのは図形です。現代であれば,コンピュータで簡単に図を描けます。今年はHTML5のCANVASかSVGで書くような教材を開発してみたいと思います。
【参考】
第4節 数学,1994年度学習指導要領…数学II