指揮者のいないオーケストラ?

オルフェウスプロセス―指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント

 指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメントにかかれている有名な本です。本学大学院リーダーシップセオリーでも取り上げられているようです。私は,ETロボコンでは学生の活動を影で見ておりましたし,MDDロボットチャレンジ(飛行船プロジェクト)では私も関わっておりますが,以下の原則を間違えて解釈するとプロジェクトはうまくいきません。まずは,8原則を日本語と英語の両方を掲載します。

オルフェウスの八つの原則
1. その仕事をしている人に権限をもたせる
2. 製品と品質に自己責任をもたせる
3. 役割を明確にする
4. リーダーシップを固定させない
5. 平等なチームワークを育てる
6. 話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
7. コンセンサスを形成する
8. 職務へのひたむきな献身

The Eight Orpheus Principles
1. Put power in the hands of the people doing the work
2. Encourage individual responsibility
3. Create clarity of roles
4. Share and rotate leadership
5. Foster horizontal teamwork
6. Learn to listen, learn to talk
7. Seek consensus (and build creative structures that favor consensus)
8. Dedicate passionately to your mission

 ここで私が重視したいのは,3番目の「役割を明確にする」(書籍では第4章)です。これはオブジェクト指向開発でいえば,ドメイン分割に当たります。ここをうまくやらないと,プロジェクトはうまくいきませんし,この本ではその点が強調されています。複数のリーダーがいる構造特有の混乱状態に陥りかねないという状況は,役割を明確に示すことによって秩序を保つことができるのです。
 我々のプロジェクトでは,はじめ,文書化して役割分担をしなかったので,混乱に陥りました。やがて,役割分担をきちんとすることによって,プロジェクトは進み始めたのです。みなさん,何度も読んでみてください。
 以下に目次をあげます。第2章から第9章は8原則の1~8にそれぞれ対応します。

【目次】
序章 カーネギー・ホール
第1章 序曲:ルールが(また)変わった
第2章 その仕事をしている人に権限をもたせる
第3章 製品と品質に自己責任をもたせる
第4章 役割を明確にする
第5章 リーダーシップを固定させない
第6章 平等なチームワークを育てる
第7章 話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
第8章 コンセンサスを形成する
第9章 職務へのひたむきな献身
第10章 終楽章:未来の構築

【原著】
Amazon.co.jp: Leadership Ensemble: Lessons in Collaborative Management from the World’s Only Conductorless Orchestra: Harvey Seifter, Peter Economy: 洋書…ペーパバック版
Amazon.co.jp: Leadership Ensemble: Lessons in Collaborative Management from the World’s Only Conductorless Orchestra: Harvey Seifter, Peter Economy: 洋書…ハードカバー版

【参考】
京都情報大学院大学 | リーダーシップセオリー

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