「文科系」が国を滅ぼす―この国の明日に希望はあるか
早稲田大学で教鞭をとる大槻義彦氏(テレビでお馴染みですよね)が日本の大学のあり方を告発する本です。文科系エリート達(実は東大法学部のこと)が支配するこの国が滅びつつあるのは,生ぬるい大学教育に責任があるとし,真の文科系エリートを育てる新しい大学体制を提案しています。
この本がいいのは,東大理系出身の大槻氏が同じ東大文系を批判するから貴重な本なのです。もし早稲田大学出身者が東大法学部を批判しても「負け犬の遠吠え」で終わりです。さて,現在の大学在学中の世代では大卒文系は同世代の35~40%に達しており,「文系国家」とも「書類立国」ともいえるほど事務屋さんを製造しているのです。
はっきりいって,大学の文科系は教員も学生も楽すぎます。アメリカの文科系なみに勉強すれば,日本の文科系はもっと輝くことでしょう。私は,理系離れをどうにかするよりは,文科系離れを起こすほど文科系のカリキュラムを厳しくして,文科系教員が学生をしごけば,「理科系の方がいいなあ」となると思います。
高度成長期に,理科系は工業高校卒,高専卒,大学理工系学部卒の3段階を設けたのです,文系にはこの区分がありません。このことは安易に大卒文系を増やす要因となったはずです。事実,「学歴社会新しい文明病 (岩波現代選書)」によると,発展途上国では学歴を分け与える装置として大卒文系が機能するそうです。「大学=学歴配給装置」なんですかね。京都情報大学院大学に来なさい。学歴以上の実力をつけてあげましょう。
【目次】
第1章 ぶざまな文科系エリートたち
第2章 理工系エリートのひとり勝ち
第3章 理工系と文科系の深い溝
第4章 あまりにお粗末な日本の大学院
第5章 欧米の大学院でのエリート教育
第6章 間違いだらけの日本の「高等教育」
第7章 大学・大学院大改革への提言
【ブログ内】
学歴社会について考えよう! 「学歴社会新しい文明病 (岩波現代選書)」
それでも大学に行きますか?–その2 「最高学府はバカだらけ」
それでも大学に行きますか? 「最高学府はバカだらけ」
【参考】
教育問題