私は大阪市の病院で生まれて,兵庫県尼崎市,伊丹市で育ち,高校3年で宝塚市に引っ越したという兵庫県育ちなんです。他府県(このことばは関西人の言い方で,「県外」とはいわない)の方は兵庫県のことを「兵庫」という人がおられますが,その言い方はやめてほしいですね。「兵庫」は県名ではなく,神戸市内のひとつの地名(区の名前)です。「兵庫県神戸市兵庫区」があるんですよ。
兵庫県民には県民意識はないに等しいです。兵庫県育ちの私には「なぜ県単位でものをかんがえるのか」かが金沢に住むまでまったく理解できませんでした。私の住んでいた阪神地域からは他府県の大阪市は県内の神戸市よりも近いし,京都市は県内の明石市よりも近いし,滋賀県大津市でさえ,明石市なみに遠さなんです。兵庫県豊岡市から兵庫県宝塚市へ移動するためには京都府福知山市を通るため,県内移動が県内だけ完結しないのです。
そもそも,兵庫県は摂津,播磨,淡路,丹波,但馬の5国からなります。それぞれがまったく地域特性が異なりますので,同一のわけがありません。
Wikipediaには「兵庫県」のところに,「この県内風土の多様性により兵庫県民としての連帯感はそれほど強くなく、神戸市、姫路市、豊岡市、阪神地域に隣接する大阪市など、各エリアの中心となる都市圏に帰属意識を持つ。そのため、自らを「兵庫県民」と称することが少ない。県人会も各地方で別々となっている。」と記述しています。大変すばらしい記述ですね。
自分の出身地または居住地を「XX県」と必ずつけるのは「滋賀県」と「三重県」で,千葉県民も奈良県民も単に「千葉」,「奈良」といいます。ちなみに関西の方には,私の出身地は「阪急平野」と答えています。
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兵庫,武庫,六甲–日本の地名