ゆとり教育の歴史 その1

 ゆとり教育が始まったのは1980年(昭和55)に小学校から始まったのです。小学校では算数や理科がとてもたくさんありました。1968年生まれの私は小5から小6になったときに算数の教科書が薄くなったのにびっくりしました。
 私が中学校に入学し1981年に中学校のゆとりが始まりました。英語が週4時間だったのが週3時間になり,英語学力の低下はだれの目にも明らかになりました。このことが補習塾が反映する要因を作ったんです。
 そして,1982年に高等学校もゆとり教育が始まりました。その結果,高等学校卒業までに昭和41年度生まれは中3から4年間のゆとり,昭和42年度生まれは中2から5年間のゆとりですが,昭和43年度うまれは小6から7年間もゆとりなんです。以下,年々,ゆとり教育を受けた年数は増えていきます。そして学力は下がっていきます。
 それでも,昭和49年度生まれまでは第2次ベビーブームでしたので,高校入試や大学入試が厳しく,塾のおかげ(注)で学力低下はそれほど問題にならなかったのです。

【過去の学習指導要領】(2014年12月22日に閲覧してリンクを修正)
・小学校学習指導要領(昭和55年4月施行)
https://www.nier.go.jp/guideline/s52e/index.htm
・中学校学習指導要領(昭和56年4月施行)
https://www.nier.go.jp/guideline/s52j/index.htm
・高等学校学習指導要領(昭和57年4月施行)
https://www.nier.go.jp/guideline/s53h/index.htm

(注)「塾のおかげ」というのは,文部省検定済み教科書は易しくなって,読んでも理解できるようなものではなく,練習問題の数も減っています。当然,高校入試の問題も易しくなるんですが,競争が激しかったので,補習塾などでしっかりと勉強していたと思います。
 大学入試では一流大学になると浪人は当たり前でした。また,大学・短大への合格が難しかったというのは,合格率からもわかります。合格率が最も低いのは1990年(平成2年)で,昭和46年度生まれが18歳のときです。

【参考】
文部科学省「戦後教育改革の流れ」
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/data/d002.pdf

学習指導要領と生まれた年度の対応 (江見圭司製作)

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