漢字の三要素、形音義

漢字の語源 (角川小辞典 1)
 漢字の三要素として形、音、義が言われています。

形…点や線、ヘンやツクリをさす。象形文字であるともいわれるのです。
音…ここでは音読み。中国からきた読み方で、中国においてはピンインそのものです。
義…意味のことで、日本語の漢字では、訓読みは漢字のもつ意味の一部または全部を示します。

 さて、ほとんどの漢字の解説は漢字の形(漢和辞典には「なりたち」と書かれている項目)だけを説明して、義(いみ)の説明も終えた気分になっているのです。
 一方の音の方は、漢詩を読むときの韻を踏む関係から、同じ韻を集めた漢字の集合(セット)が科挙の試験出題されたようです。

【出典】
Amazon.co.jp: 中国語概論: 藤堂 明保, 相原 茂: 本

 さて、「形」・「義」のセットで「音」の対応に関心を払わないということが一般的なようです。この伝統はなんと清朝末期にもあり、
「形」・「義」のセット…訓詁学
「音」…音韻学
 といって別学問だったようです。このような傾向に果敢にも挑戦したのが、: 山田 勝美, 進藤 英幸の「漢字字源辞典」です。
 これをさらに一般向けにわかりやすく解説したのが、この本です。
 この本では、音は歴史的仮名遣いと現代仮名遣いの両方で表記されているので、中国語の音との関連は想起しやすくなっています。ただし、教育漢字(1066字)だけを扱っているようですので、若干字数が少ないようです。辞書的な配列で並んでいますが、読み物を意識した構成です。

ちなみにこの本は福建師範大学の図書館にありましたので、現在借りて読んでいます。

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