中国語の自動詞のなぞ(SVは存現文?)

 中国語の自動詞のなぞを2月末から調べていました。まずは何が謎かを述べましょう。
SVOの語順では

汽车。
私は自動車をもっています。

ところがSV構造だと
饭店附近公园
ホテル付近に公園があります。

のように,場所+動詞+主語のように,Sがまるで目的語であるかのような位置に来ます。これを存現文ということはとりあえずわかりました。


風が吹く


雨が降る。

天上出现黑云
空に黒い雲が出てきた。

大厅里展览精美的工艺品 
dàtīngli zhǎnlǎnzhe jīngměi de gōngyìpǐn 
ホールには精巧で美しい工芸品が展示されている。

昨天一位客人
昨日一人の客がやってきた。

ところが,このVS語順にも注意が必要で,どうも「自然こうなる」あるいは「勝手にこうなる」みたいな意味ですので,上の文はなんの知らせもなく突然「昨日一人の客がやってきた。」という意味です。一方。

昨天一位客人了。

とすると意味が変わり,予定どおりに「昨日一人の客がやってきた」という意味になります。
 このように,存在や出現をあらわす自動詞の語順はVSになるようですね。

 しかし,それ以外の自動詞はSVになります。

了。

 これは難しい。ところがドイツ語なの格支配の強い言語についてWikipediaで調べているとついにわかりました。中国は活格言語に分類されますね。つまり,自動詞のただ一つの項(主語S)が,場合によって他動詞の主語(動作主)と同じように表示されたり,また他動詞の目的語(被動者)と同じように表示されたりする言語のことです。これは日本人の常識を越えています。
 逆に中国人とっては,自動詞と他動詞の区別は明確ではないのです。道理で,「増える」と「増やす」,「とまる」と「とめる」を区別するのに苦労するはずですね。

【参考】
中国語文法講座(存現文)
格配列 – Wikipedia
活格言語 – Wikipedia

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