淡路,十三,梅田–日本の地名

 昨日につづいて,大阪の地名。現在の大阪市は平安時代の頃にはまだ海だった部分が多いわけです。淀川の河口付近の浅瀬には小さな島がポツリポツリとうかんでいたようです。その島には中島や柴島(くにじま)などという名前がついて,現在の東淀川区の住居表示になっています。
 中島や柴島のすぐ横には淡路という地名があります。淡路島と関係があるのかいえば,そのとおり。菅原道真公が太宰府に島流しにあったときに,このあたりの島にたどり着いて,淡路島と勘違いしたので淡路と呼ばれるようになったのです。え,本当? その証拠に淡路のすぐとなりには「菅原」という地名もあります。
 京都から阪急京都線で梅田へ向かうと,淡路をとおって,十三に到着します。十三は淀川に架かる橋で河口から数えて十三番目の橋があったから言われいます。現在では十三番目ではありません。
 淀川の鉄橋をわたると,神戸線・宝塚線には中津という駅があります。中津の津(つ)は港という意味ですので,ここがかつて海であったことがわかります。そして,梅田に到着します。
 梅田は本当は「埋田」と書いたそうです。河口付近を埋め立てて田にしたそうです。だから,実はこの地盤は軟弱なんです。阪急の現在の梅田駅を1960年代後半(S40年代)から建設を始めたんですが,泥がすさまじかったの,泥を凍らせながら杭をうって建設したそうです。「埋田」では縁起がわるいので,「梅田」と改名したそうです。
 ついでながら,大阪の地下鉄御堂筋線が西中島南方や新大阪付近がなぜ地上を走るのかといえば,地盤が軟弱なので当時の土木技術では難工事が予想されたので地下を走らないのです。みなさん,梅田から新大阪付近にかけての地名を一気に解説しましたが,ご理解いただけたでしょうか?

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