生物学の研究が進んでいない日本からノーベル賞

 iPS細胞で,京大の山中教授がノーベル賞をとったことはすばらしいですね。受賞後のNHKのサイトから以下のものを見つけました。

ノーベル賞受賞 山中教授が語る – NHK クローズアップ現代

●研究の広がりをどのように受け止めているのか
 「iPS細胞というのは、作製方法が非常に簡単でありまして、高校生、中学生でもできるような方法です」という記述には驚きがありますが,ノーベル賞級の研究は原理はわかりやすいことが大いにですね。だからノーベル賞なんです。

●創薬産業が画期的に強化される期待
 「薬の候補といいますか、多くの国は化合物、人工的に作ったものを候補として探しているんですけれども、日本は化合物に加えて天然物、カビですとか、そういう自然に存在するものから抽出したもの」とあり,生き物の中から薬を見つけるというのは日本の伝統(漢方薬かもしれませんが)なんです。iPS細胞の発想が日本人らしいのかもしれませんね。

●この6年でスピード受賞がされたのは、なぜだと思うか
 ジョン・ガードン先生の名前があがっています。

【参考】
ジョン・ガードン (生物学者) – Wikipedia

●海外に負けないよう特許を取っていく
 「特許というのは一般的には、技術を独占する民間企業であったりが技術を独占して、自分たちだけで研究を進め、開発を進めるためのものなんですが、私たち京都大学は、逆に、独占させないために、京都大学が特許を取ること」と言っておられますね。「公的機関である京大が特許を取る」。なるほど。大学は公的機関であり,公共性が高いのですね。本学も…

【参考】
2012/3/1「.kyoto 管理運営事業者」に決定!~京都府が選出,ICTの専門性を生かし「京都力」発信強化 | 京都情報大学院大学
2012/2/8「.kyoto 管理運営事業者」京都府に申請します ~公益性,ICTの専門性で適切と京情協が推挙 | 京都情報大学院大学

●多角的な競争に打ち勝つ財力、資金面は整うのか
 実は,研究者の雇用費用が大変であることを述べておられますね。

●iPS細胞研究所の9割の方が、任期付きの職員
 そうそう,任期付き研究員と言うのはけしからん話ですよ。要するにノーベル賞級の研究を支えている研究員の9割がバイトなんですよ。もっとも大学院生なんかは,研究するだけで授業料を払っているので,時間外に家庭教師や塾講師のバイトもやっているでしょう。まったくおかしなことです。
 しかし,若手研究者の行き先がないことは,ノーベル賞受賞者がもっといわないと,10年後には研究者はいなくなるのではないかと思われます。現に,京大でも,どこの大学でもこの10年間で任期付き教員が増えたため,30代の教員がほとんんどいません。
 小柴昌俊先生(2002年ノーベル物理学賞)が金沢工大で2004年に講演されました。そのときに,私は質問しました。「若手研究者は,終身雇用の職がなくて将来が見えませんが,そんな若手研究者にメッセージをください」といいました。小柴先生は「もっと勉強しなさい」とおっしゃりましたが,私の質問した内容は翌日の北国新聞が取り上げたようです。

●臨床応用を目指すとしているが、今のペースで実現できそうか
 見込みがたあっていることはいいことですね。

●自信が見えてきたのか
 これも特にありません。

●プレッシャーをどう乗り越えているのか
 気分転換は対せと言うことですね。

●先生にとって癒やしとは
 家庭が癒やしなんですね。

●これから目指すもの
 iPS細胞の負の側面が出てこないことを私は願っています。

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