「基礎数学の123」著者語る6 多項式,微分

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 今回は多項式,微分について考えてみたいと思います。特になぜ,多項式が微分と関係があるのかについて詳しく述べたいと思います。

第2章 数と式 第2節 多項式
第4章 微分積分入門 第1節 微分

1 高等学校の数学IIでは3次式の微分まで
 1994年度の学習指導要領の改定実施以来ずっと,高等学校の数学IIでは3次式までの微分に限定されていました。脱ゆとりで2012年度以来の理数前倒しの学習指導要領の改定で「4次関数の微分が解禁」なんて言葉が受験業界で飛び交うようです。
 そもそも,規制緩和といっていた小泉政権のころに実施された第3次ゆとり教育でさえ,この意味不明な規制があったんですよ。その精神は,なんと「高次方程式」の扱いが数学Iから消えたからです。

  •  3次式の微分→導関数は2次関数なので,2次までの因数分解は可能
  •  4次式の微分→導関数は3次関数なので,3次までの因数分解は既習事項ではない!

 昔,基礎解析(第一次ゆとり教育)とか数学IIB(現代化カリキュラム)とか言っていた世代には考えられないですよね。なにそれ?

2 多項式の扱い
 たぶん,「高次方程式はマニアックな因数分解ばかりで,ゆとり教育にはなじまない」という具合に削られたのだと思います。前後見境なく削ると,あとの微分の部分にまで影響すると考えていなかったんでしょうか?
 そんなことで,数学IIまで履修していない大学生対象の本では当然,多項式の扱いで3次式を扱う必要があるんですよ。そうしないと,4次式の微分を扱えないのですね。
 第2章で二項定理を基本に据えました。そのため,n乗の展開に備えるとn乗の微分も当然扱えます。コラムで小さく扱っています。

3 微分・接線の応用としてニュートン法を扱いました。
 本書は,コンピュータで数学を扱うことを意識しているので,当然,ニュートン法を扱いました。当時の高等学校の教科書でも扱われているので当然,扱うべきなんですが,高等学校ではBASICで扱っています。そこで,本書では表計算ソフトで扱いました。
 
4 微分演算子とその線形性も
 p153からp156まで微分演算子とその線形性も取り上げました。これを扱うことによって,limの線形性も扱えます。とても合理的です。

【リンク】
ゆとり教育で不足した学力はどこで補完するのか ~社会人になるために~ | Vol.20 | アキューム

 【ブログ内参考】
ゆとり教育の歴史 その3
ゆとり教育の歴史 その2
ゆとり教育の歴史 その1

 

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